在ル男ノ手記。

私は怖いのです。


大人として見られると言うことが。


私はとても怖いのです。


中身を伴わない成長を続けることが。


既に私も齢を重ね、大人として見られるようになりました。


しかし私はその人の望む「大人」には程遠いのです。


大人と子供。


大人で子供。


陰で陽。


朝なのに夜。


決して相入れては物が交わった時に生まれるのは、


絶対的な矛盾。


人は皆、重荷を背負って生きたいとは思いません。


出来るだけ楽な道を選ぶ様に出来ているからです。


それでも重荷を背負って生きたいと言うのなら、


なんて、偽善。


或いは、傲慢。


しかし、それでも嫌応無しに矛盾と言う重荷を背負わされてしまう人が居るのです。


普段は重さを忘れようと気をまぎらわせようとするけれど、


ふとした時に気付く。


自己の内包した矛盾に。


立派な大人になった同い年に。


気付いてしまえば止まらない。


決壊したダムのごとく。


ぐるぐると感情が本流する。


翻弄される。


そしてその日も自分を卑下するのです。。




私は怖い。


大人として見られると言うことが。


私はとても怖いのです。


中身を伴わない成長を続けることが。






─そしてその、自分自身が。